2022.04.29
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私たちがペットとして飼育しているのが「イエネコ」
野生で生活しているのが「ヤマネコ」
しかし、それぞれの種類にはどんな違いがあるのでしょうか?
イエネコが日本にやって来た時期は?
『イエネコ』は『ヤマネコ』の違い、猫についての豆知識をお伝えします。
2007年に、イエネコの祖先がリビアヤマネコであることが明らかになりました。
リビアヤマネコもヤマネコの1種なのですが、他のヤマネコとの違いは何なのでしょうか。
今回は、その違いを紹介いたします。
ちなみにイエネコとは、単に家の中で暮らしている猫のことではありません。
人間と交流が図れる(何もしなければ攻撃してこない)猫全般を指します。
先ほど人間と交流が図れると紹介しましたが、リビアヤマネコをルーツに持つ猫は人に懐く素質を持っています。
その他のヤマネコは獰猛で、至近距離で触れ合うことができません。
哺乳類の中でも、猫は知能が高い動物に位置づけられています。適応能力が優れているので人の生活区域に馴染み、家畜化されていきました。
現代では家族の一員として大切にされ、簡単な単語程度であれば理解できるほど賢くなっています。
ヤマネコもイエネコも、単独行動が基本です。ただし、イエネコの場合は小さなグループを持つこともあります。
同じ地域に暮らす猫が夜な夜な集会を開くのは、無駄な争いを避け、情報交換を行うことを目的にしているという説があります。
イエネコ最大の特徴は、人や家に馴染むことができることでした。そもそも、いつから生活を共にするようになったのでしょう。
ここからは、日本と世界における歴史的な背景を4つ紹介いたします。
リビアヤマネコが家畜化されたのは古代エジプト時代。古代エジプト人の生活圏に入り込んだことが全ての始まりでした。
遺跡などから、おおよそ紀元前1,500年~紀元前1,300年頃には家畜化されていたことが分かっています。
古代エジプト人は、猫を神聖な動物として崇め、門外不出としてきました。
ところが、フェニキアの商人たちが持ち出してしまい、紀元後1世紀頃までにはヨーロッパに伝わることになります。
猫は生粋のハンターなので、主にネズミ捕りの仕事を任されていました。その能力が買われ、やがては他の国々へと渡って行ったのです。
日本人と猫の出会いは縄文時代とされていますが、これはイエネコではなく野生の猫だと考えられています。
現代の猫のルーツとされるイエネコは、中国の教典とともに奈良時代初期にやって来ました。
遣唐使が仏教を広める際に持ち込んだ教典を、ネズミから守る役目を果たしたのです。
日本のイエネコに関する最も古い文献は、平安初期に宇多天皇が書いた「寛平御記(かんぴょうぎょき)」という日記です。
ここには、884年に中国から光孝天皇に猫が献上されたと記されています。
献上されるに値する存在であることから、猫はとても珍しく貴重な動物だったことが分かります。
現在、日本には2種類のヤマネコが生息しています。
対馬のツシマヤマネコと、西表島のイリオモテヤマネコです。
どちらもベンガルヤマネコの亜種であること、中国大陸から渡ってきたことなどの共通点を持っています。
しかし体格や食生活、行動様式は異なります。恐らくこれは、生息地域の違いが現れているものだと思われます。
ツシマヤマネコ、イリオモテヤマネコ共に絶滅危惧種で、現在も保護活動が続けられています。
イエネコとヤマネコの違いと、歴史的背景について紹介いたしました。
もしもリビアヤマネコが人に懐く素質を持っていなければ、私達の生活に猫の癒しはなかったかもしれません。
私たちにこんなにも癒しと安らぎを与えてくれる猫たち。
歴史を知って、もっともっと猫に対する愛情が強くなりますね。